「WOODWORK」という家具メーカーの名前は、senkiyaやkoushaの情報をみているとたまに目にすることがあるだろう。
senkiyaでは2012年に「WOODWORK caravan in senkyia」を開催し、最近では4月の「KINTO × KAWAGUCHI SHINMACHI」でも力を貸してもらった。
koushaでは先日も「〜kousha × WOODWORK〜いつもの食卓、器と家具」を開催したり、これまでにも頻繁に交流する関係である。
しかし、成り立ちや理念などをちゃんと聞く機会がなかったと思い、WOODWORKさんのお店にうかがってきた。

「下甚」の文字の入った袋が工房で目に付いた

かつての店構えを写した写真がいまも工房内にある
「下甚商店」という材木屋・・・
WOODWORKの始まりは、明治30年創業の下甚商店(しもじんしょうてん)という町の材木屋である。木場から建築材料としての材木を仕入れ、その販売を行うだけではなく、珍しいことに加工工房を設けていたため製作受注を受けていたそうだ。そこには複数の大工が所属し、住宅や展示会場のブース、さらには歌舞伎座の桧舞台も手掛けたりしていたという。
材木屋のお客は業者であり、業者向けの販売や現場に材木や製作したものを収める形だった。
しばらく時を経てバブルが崩壊した頃、一般のお客さんにも小売する下甚商店の新しい事業が動き始めた。
ホームセンターなんて無い時代に、木材や釘や道具を買えるお店をつくったのだ。「下町のハンズ」である。
工作材や釘、道具や機械も取り扱ったり、また組み立てやすい状態にまで仕上げたものを販売したりと展開していった。
工房を持っていたことが好条件となり、いろいろと製品も作っていくこととなる。
そして1994年に、DIYとアメリカンテイストを合わせた商品製作と雑貨販売をする店としてWOODWORKが始まる。
工房の入り口には、WOODWORKとMakerそれぞれのロゴが飾られている
現在の工房の様子。店舗の地下が工房になっている。
WOODWORK・・・
当初の店舗は、現在の西側(公園に面した)部分しかなく、現在の半分以下。アメリカン雑貨、カーペンターの雰囲気の商品販売をしたり、それこそ塗装を施したカントリーテイストの商品を作っていた時代もあった。
しかしある時、材木屋として母体をなしていた下甚商店に、一枚板を仕入れるルートができたことがきっかけとなり、家具製作に舵をきることになった。
そして新たな作り手が加わり、2007年にリニューアルオープンしたのが、現在の姿である。
話を聞いて分かったのだが、建築木材と、現在のWOODWORKが多く使用する家具の木材は非なるものだ。
前者はベニヤ板(薄く切った木の単板)や合板(ベニヤを重ねたもの)なども含み幅広いもので、加工されたものも多い。
一方で後者は、木から切り出した木材そのまま。木としての個性がそのまま残った木材である。
あらたな材料を用いるにあたり、知識や技術を会得する努力もまた必要であった。
WOODWORKのMaker(職人)たち
WOODWORKの考え方・・・
「継続して丁寧なことができること、それが技術力」とWOODWORKの社長の藤本さんは話してくれた。
特別な技術をやろうということではなく、ものの大小に関わらずどんなものであっても丁寧に仕事をする、それがブランドとして大切なことのひとつであり、WOODWORKはそれをし続けているメーカーのように目に映る。
店舗、工房に加えて倉庫も持っているが、「SO-KO」と称してお客さんに解放している(解放日は決まっていて、要予約)。
「形になる前段階を見てもらって、その上で購入してもらいたい。」
まだ粗雑な木材が、職人の手が加わることで綺麗な家具へと形を変え、そしてそれをWOODWORKは販売しているという、言ってしまえば当たり前だが、その流れを見てもらうことでお客さんに納得して、理解して購入してもらう。そう考えてお客さんと向き合っている。
5人のスタッフを中心としたチームのような彼らWOODWORKが作り出す家具、空間、世界をtanabikeでご覧いただけます。
HELLO, WE ARE WOODWORK
10/8(土)〜16(日)
12:00 – 18:00
休み:11(火)
企画、会場:tanabike
コラム2「WOODWORKと木のこと」もHP内に掲載しております。。
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今回の展示「HELLO, WE ARE WOODWORK」では、Makerたちが在廊し直接みなさんに家具のことやWOODWORKさんの話をしてくれます。
また、15(土)にはワークショップ、16(日)にはトークイベントも開催予定です。詳しくはこちら
この機会にWOODWORKさんに触れてみてください。