2016年10月7日 senkiya

WOODWORKの木のこと

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WOODWORK」という名前は、まさに「木工品」のこと。「木」を含んだ分かりやすいシンプルな名前だ。
材木屋から家具屋となったWOODWORKは、どんな目で木を見て、形にしているのだろうか。

 

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一枚板の状態を見てその木の特徴や様子を判断する

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板に加工する前に天日で乾燥させる。まだ原木としての質感を感じられる

 

木材としての木・・・

WOODWORKの話(コラム1)」で触れた様に、一枚板を手に入れるルートができたところが今日のWOODWORKのきっかけのひとつとなり、そして無垢材が「作ること」の中心になっている。

木材は、国内外問わず納得して扱えるものを選んでいる。
タモ、ナラはロシア、ブラックウォルナット、アメリカンチェリーは米国から日本へ入ってきたものを使用し、栃、樺、本桜、栗、欅(ケヤキ)などは国産材である。
ものによっては丸太一本単位での買い付けとなり、どの木を一枚板にするのか、3枚接ぎ天板にするのかなどを買い付け先で相談、注文をしているそうだ。

木の特徴でひとつ例をあげるとすれば、北海道産のタモは硬くて粘りが強いため、椅子を製作する木材として向いていて、使用する大きな理由となる。こういった知識は材木屋としての知識だけではなく、新たにWOODWORKとして動き始めてから仕入れ先などからも学んできていることだ。

土地の環境、国同士の関係、燃料などの輸送費様の変動など様々な要素が関わっている中で、価格、品質、そして流通量が安定して仕入れられるものということが木材を扱うのに大切なこと。
そうすることが商品の安定供給となり、それがメーカーとしての信頼であり、お客さんの満足につながる。

 

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定番のPico ChairとSTANDARD TABLE

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家具を組み立てるmaker(職人)

 

等身大の家具・・・

「良い材料で良い家具をつくる」というのは、どの家具屋もすることである。しかし、「等身大の家具を作りたい」という藤本さんの言葉が印象的だった。
作り手としての技量、表現したいことと、そして購入して利用するお客さんにとっても「ふさわしい」家具を作るというのがそのメーカーの意義なんだと。

デザイナーが材料の一種としての木材の価値を見出すよりも、木材を専門とする材木屋がその価値を掲げる方が、その価値をより深く、しかしはっきりと表現ができるのではないか、だからその役割を担いたいんだという思いがある。

それをWOODWORKとしては家具を作ることで形にし、お客さんの生活に落とし込んでもらうことで生活に付加価値を加えて、木の面白さや良さを理解してもらえるようにすること、受け取ってもらえるようにする。それがWOODWORKとしてできることあり、意識していることなのだ。

そういう考えの中で、ここ最近新たに力を入れているのが合板(ベニヤを重ねたもの)を使用した商品の展開である。

無垢材、とりわけ一枚板は風合いもよく何十年と使えるものだが、一方では高価で簡単に家具として手に入れらるものではない。その点で、合板は建材としても使用するほど硬くて丈夫でありながら価格が抑えられているので、若い世代の家庭に少しでも良い家具を届けたいという考えには適材だろう。安い素材を活用したらどんな風になるのか、それもまた新たな表現であり、メーカーとしての幅が生まれる。

 

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工房にあるFACTORY RACK

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ある家庭で実際にFACTORY RACKを使用している様子

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TRUSCOの道具箱を組み合わせた道具棚

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タイヤをつけたラジオフライヤー

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反響板を組み込んだスピーカー

 

FACTORY RACK・・・

「タフでラフに使える家具」としてまず工房で使用したところが始まりである。組み立てもスチール材を用いることで作業は通常よりも少ない。タフだからこそ様々な道具棚として扱ったり、積み重ねることもできる。

そして「自分で手を加えられるくらいシンプルなもの」もキーワードの一つ。工房で使用するFACTORY RACKにはフックをつけて道具をかけたり、板を渡して作業台にもなっている。扉や取っ手をつけたキャビネ、黒板塗料を塗って子どものおもちゃ棚、板に溝をつけて道具箱を納めた道具棚、タイヤをつけたラジオフライヤー、反響板を差し込んだスピーカーなど使う人によっていくらでも形と用途が変えることができる。

今回の展示では、このFACTORY RACKの可能性を広げることをテーマの一つにあげており、その展開をtanabikeで見てもらえる。

15(土)にはこのFACTORY RACKのワークショップを開催。その場でFACTORY RACKの組み立て、さらに様々なカスタムを施すことができる。実際の商品を自分の手で作り上げる価値のあるワークショップとなるだろう。WOODWORKの職人たちもサポートをして、FACTORY RACKや家具の話も聞かせてくれることでしょう。

この展示を通じて、新しい家具を家に迎える喜びを感じてもらえるのももちろん、自宅や実家にある長年使ってきた木製家具を、いま一度思い返すきっかけになってもらえたら嬉しいです。

木の香りただようtanabikeでお待ちしております。

 

HELLO, WE ARE WOODWORK
10/8(土)~16(日)
12:00 – 18:00
休み:11(火)
企画、会場:tanabike

コラム2「WOODWORKの話」もHP内にて公開しています。合わせてお楽しみください。

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15(土)のワークショップの他には、16(日)にはWOODWORKの職人さんたちとKAWAGUCHI SHINMACHIのフォルクスワーゲン修理工場SILVER RESTとのトークイベントも開催予定です。詳しくはこちら

この機会にWOODWORKさんに触れてみてください。